プロペラ付きのルアー、スイッシャーについて紹介しています。

Swisher

スイッシャーについて


スイッシャー、別名プロップベイト。
春になると店頭に並ぶルアーだが、実際に使っている人はあまり見かけない。

プロペラがついているので釣れそうに感じないからなのだろう

しかしこの個性こそが魅力であり、
生き物と機械の中間を感じさせるオリジナル性、
アメリカの陽気さが伝わるトップウォータープラグだ。

スイッシャーのタイプ

type
スイッシャーは実は最初トップウォーターではなく
シンキングルアーとして作られていたのは知っているだろうか?

最初と言っても1990年頃のことだ。

それがいつからかトップウォータープラグ、
サーフェイスルアーとなった。

タイプを大きく分ければ、
浮くタイプと沈むタイプにそれぞれ3種類、
計6種類になるが、現在ではあまりシンキングタイプはみかけない。

3種類とは前にプロペラのついているシングルスイッシャーと
図のシングルスイッシャー・ダブルスイッシャーだ。

他にも後ろにプロペラが2つ付いているものや、
ポッパータイプ、ジッターバグタイプ、ミノータイプ、
ボディーが回転するガウディーのようなタイプなどもある。

それにしてもこのルアーを初めに考えた人は
相当な変わり者だったか遊び心のある人だったに違いない。

タイプと動きの関係(動かし方)

シングルスイッシャーとダブルスイッシャーの
ドッグウォーキングの動きを観察すると、次のように違いがわかる。

シングルスイッシャー

Single
図のように後ろのプロペラを軸にして左右に頭を振りながら進んでいく。

移動距離が短いので、ピンスポット(一カ所)でじっくりせめるのに向いている。
動かし方はペンシルベイトと同じだ。ロッドは横にして使う。

ダブルスイッシャー

Double

ボディの中心を軸にしてボディを左右に回転して進む。
プロペラが2つもあるので水への抵抗が大きく、
シングルスイッシャーよりも更に移動距離が短い。
そのためより強くルアーを引っ張る必要がある。

基本的な動かし方はペンシルベイトと同じだが、
左右に大きく移動させるのがいい。
ロッドを立てて使わないとラインがからむ。
しかしおおきなジャーキングではロッドは横に寝かせよう。

プロペラのタイプ

propela

高性能タイプ

上の図の左のタイプ。
少しの動きでもよく回転する。
プロペラの後ろにスペーサーが入っている物がおすすめ。
ザウルスのホッツィートッツィーが代表ルアー。

大きい音重視のタイプ

上の図の中央のタイプ。
大きなパラパラという音を出す。
これをつけるときは、プロペラによく水が当たるようにボディをスリムにする必要がある。
ヘドンのダイイング・フラッターがこのタイプ。

軽い音重視のタイプ

上の図の右のタイプ。
これも音重視で、ジュルジュルと軽やかな音を出す。

これもボディー形状は、プロペラによく水が当たるようにする。
バグリーのマイティーミノーがこれにあたる。
他に3枚ペラのタイプがある。

スイッシャーの作り方

pela
作り方はペンシルベイト(ヒートンタイプ)と同じで、最後にプロペラをつければ完成だ。

使用するヒートンは長いタイプを選んぶこと。
図は後部のプロペラと全部のプロペラの取り付けの違いだ。
後部の場合、ワッシャー2つでプロペラをはさむ。

また、ダブルスイッシャー場合、
前のプロペラと後ろのプロペラがそれぞれ回転する向きが反対のものをつける。
(図ではワザとヒートンを短く書いている)

作る際の注意点

作り方は比較的簡単なのだが、
実際完成したルアーを動かしてみるとプロペラがうまく回転しない場合がある。
ほとんどの場合うまく回転しないと言ってもいいかもしれない。

このあたりからスイッシャーの奥の深さが出てくる。

その原因はいろいろあり、なかなか解決できない。
ハトリーズの羽鳥氏も本の中で
プロペラの回転がいかに難しいかを語っている。
ダブルスイッシャーともなると至難の業だろう。

作者もまだまだ試行錯誤しているが、
なんとなくという経験則を紹介しよう。

後部プロペラ

rear
ボディが太いとプロペラに水の流れがなかなかあたらず
回転しない原因になる。

そのため、プロペラの大きさに合わせてボディをスリムにする必要がある。

市販のルアーを参考にすると
ザウルスのスマートアレックがいい見本だ。

ボディー後部が細くなっている。
また、ヒートンの締めすぎが原因のときもある。
かと言って
ゆるすぎてもいけないので表現の難しいところだ。

そして、リアフックとプロペラがからんで回らないこともある。

ヒートンを水平、プロペラを垂直にしたとき、
フックの先が右図のようにプロペラにあたる程度にする。

フックは軸が長い物(なかなか売っていないが)を使う。

そしてプロペラよりもヒートンの先が後ろに出るようにする。

なるべくプロペラとフックが当たらないようにするのがコツだ

前部プロペラ

後部プロペラと違い、プロペラにあたる水を邪魔する物はない。

前部プロペラで注意するのは、ルアーを沈ませようとする働きをいかに抑えるかだ。

ヒートンをボディの中心に通し、ルアーが浮いたとき、少し後部が下がった形になるようにすることで解決できることがある。

またプロペラとボディがなるべく当たらないようにすることだ。

ダブルスイッシャーを作るのであれば、後部プロペラと同じかそれよりも小さいものを使う。

これらのことを注意して作ってもなかなかうまく回転しない。
後は試行錯誤を繰り返すしかないのだろう。
そこが楽しいのだと思う。

目指すはドッグウォーキングをしながらでもスイッシュ、
いつでもどんなときでもスイッシュするものだ。

スイッシャーを使う時間・場所

バスが水面 を意識しているとき(活性が高いとき)、これが基本。
そして水面がないでいるときよりもすこし波があるときがいい。

風が吹いたらダブルスイッシャー、これは覚えておこう。

場所は、ストラクチャー(障害物)のあるところだ。
アシ際や木の横大きな石が沈んでいる所など、
少しでも変化のあるところ、そしてなるべく水の濁りが少ないところだ。

ここまでいろいろ書いたが、とにかく一度スイッシャーを作ってみる・使ってみることをお勧めする。

陽気な釣り方、それがスイッシャーでのルアーフィッシングだと思う。