ルアーのアイ(目)の作り方を紹介しています。

ルアーの目の種類

作るのは図の3の「透明な中に白い眼球に黒いひとみ」のタイプ。
本格的な作り方で5日以上必要です。

作り方

  1. 芯の部分と乾燥させる場所の用意

    芯の部分が針金の場合は
    適当な長さ(3cm以上)にニッパーで切り、
    プライヤーでまっすぐにする。

    また、逆さに吊して乾燥させるための場所と
    芯の部分を刺して固定するための板
    (バルサや発泡スチロール)を用意する。

  2. 接着剤と塗料を混ぜる

    接着剤と塗料を混ぜる
    2液性エポキシ系接着剤をチューブから適量出す
    (等量に混ぜるタイプが一般的だがそうでないものもあるので注意する)。
    この時点ではまだ混ぜない。
    次に少量の黒色塗料を、
    出した接着剤の上に数滴垂らす。

    そして接着剤同士をヘラで混ぜる。
    色が薄いようであれば
    黒色塗料をさらに垂らして混ぜる。

  3. 芯に塗る

    アイ乾燥
    2で作った黒色接着剤を
    爪楊枝やヘラの先で少量とり、
    もう片方の手に芯の部分をもつ。
    芯の部分をゆっくり指で回しながら
    芯の先に接着剤をつけていく
    (芯の先を水平より下に向けて行うこと)。

    このときつける量が多いと垂れ落ちる。
    今回は透明部分も作るため、
    バランスを考えて少し少なめでよい。

    接着剤は2で作った瞬間から
    硬化が始まるので作業は早く行うこと。
    少量つけても芯から垂れ落ちる場合は
    接着剤の粘度が少し強くなるまで
    待ってから行うとよい。

  4. 乾燥

    1で用意した板に芯を差し、
    逆さにして乾燥させる。
    芯が針金
    そして厚みのある発泡スチロールがあるならば、
    芯を途中から直角に曲げて
    発泡スチロールの側面に差すことで
    下向きにして乾燥させることができる。

    乾燥時間は
    温度と接着剤によるが早くて1日長ければ2日ほどかかる。
    2での混ぜる割合が間違っていると硬化しない。

  5. 2~4を白色塗料でもう一度行う

    アイの白目
    今度は白目の部分を、
    白色塗料を使って2~4を行って作る。
    接着剤と塗料の混ぜ方は同じだが、
    黒目の周りに塗っていくのでより慎重に行う。

    この時塗り方が下手だと黒目の形が円にならない。
    いくつも作りコツをつかむといいだろう。

    アイを正面から見た時に
    白目の部分が黒目より少し大きい程度がいい。
    「黒目+白目の作り方」とは違い、
    白色塗料は多く塗らない。
    アイを横からみて、
    塗った高さが低いほうがよい
    (使うスパングルの半径以下の高さ)。/li>

  6. スパングルをつける

    スパングル
    白目部分が乾燥したら、
    スパングルを取り付ける。

    白目の根元に
    マニキュア用トップコート(速乾・無色透明タイプ)
    なければセルロースやウレタンなどのコーティング剤を少し塗る。
    (瞬間接着剤でも代用が可能かもしれない)

    スパングルの穴をアイの芯に通し、
    スパングルを白目の根元にまで上げてそっとつける。

    塗ったコーティング剤が乾けば、
    スパングルは白目の根元に固定される。
    このときスパングルが傾かないように注意が必要だ。

    発泡スチロールなどの上に芯を差し、
    アイが真上を向いた状態で固定する。
    (図は工程6と工程7)

  7. 透明部分 – 2液性エポキシ系レジン

    ここでLCでは2液性エポキシ系レジンを使う。

    セルロースやウレタンなどの
    コーティング剤でもできるかもしれないのだが、
    乾燥時に気泡が発生しやすく成功したことはわずかだ。
    実は
    この気泡の発生をいかになくすか、
    気泡をいかに取り除くかが難関で、
    アイの作り方で最も難しいのが
    この透明部分を作る工程である。

    2液性エポキシ系レジンは
    いくつかのメーカーが出しており、
    もしかしたら気泡の発生がほとんどないものもあるかもしれない。
    「気泡」というが、これは実際は何もない空間だと思う。

    レジンやセルロース、ウレタンなどが硬化すると、
    液体の時よりも硬化した時の体積は小さくなる。
    この小さくなる=縮む速度が速いほど
    そして縮む度合いが大きいほどに、
    内部に気泡が発生しやすくなるのだろう。

    今回使ったのは
    ユザワ屋で販売している日新レジン社製クリスタルレジン(透明・低粘度エポキシ樹脂)だ。
    付属している説明書では
    「2液を2:1の重さの割合で混ぜる」とあるが、
    実は少量だけ使いたい場合には
    軽すぎて一般家庭調理用天秤では量れない。

    そこで別に購入した注射器2本
    (釣具店のロッドメイキングの材料コーナーにある)で
    2液を2:1の体積の割合で取り、
    容器内で混ぜる。
    このとき正確な割合で混ぜること。
    またレジンの混ぜ方だが、
    棒などで早くかき混ぜない方がよい。
    なぜなら
    あまり混ぜると気泡がたくさんできるのだ。
    容器を傾けながら棒でゆっくりと混ぜる。

    レジンがよく混ざったら、
    爪楊枝などにレジンを付け、
    スパングルの上に垂らしていく。
    レジンがスパングルの上で盛り上がり
    瞳の部分が隠れるまで、
    何度もレジンを垂らす。
    垂らす回数を減らせるようになると、
    その分一度に作れるアイの数が増やせるようになる。
    また透明部分の量は好みにもよるが、
    瞳部分が隠れる程度で多すぎない方がよい。
    多すぎると瞳部分が奥の方に見える形となり、
    おそらく普通に想像しているのとは違ったものとなる。

    また、透明部分を半球体状に作りたいのであれば
    この方法では無理だ。

    そうしたい場合はシリコーンなどで
    半球体の鋳型を作り、
    そこにレジンを流し込んだ上で
    瞳部分を漬けておく方法をとる。
    ただし
    出目金タイプのルアーを作りたい場合ぐらいで、
    通常は半球体にする必要はない。
    3分の1球体の状態で十分だと思うし、
    液の粘性と表面張力ではそれが限界だろう。

    ほんの少し多め気泡がある場合
    このまましばらく置いておくと、
    気泡が上まで浮いてくるので
    これを爪楊枝の先ですくい取る。

    3日以上なにもせずに置いておき
    レジンが固まるまで待つ。

    レジンが固まったかどうかの判断は
    目では難しいため、
    棒でかるく押して判断する。

  8. コーティング

    レジンが硬化するにつれてその透明度は鈍くなるが、
    これは表面に凹凸ができるせいである。

    マニキュア用トップコート(速乾・無色透明タイプ)
    なければセルロースやウレタンなどのコーティング剤を
    表面に薄く塗り乾燥させる。

    これを数回繰り返し、
    表面がなめらかになると透明度もよくなる。

    このときアイの底(スパングルの裏)には
    塗らないように注意すること。
    レインボー透明カラーのスパングルだと、
    上から見たときに汚く透けて見えるためだ。

  9. 完成

    コーティングと乾燥を
    納得がいくまで繰り返せば完成となる。
    一度に作れる数は
    2液性エポキシ系接着剤の硬化時間で決まるため、
    多くても20個程度だ。

    また、コーティングが厚すぎると見栄えがよくない。

今回使ったもの

  • 材料

    芯の部分に使うものとして
    細い針金(0.5mmぐらいの銅線がおすすめ)か虫ピン
    またはなるべく小さな釘(装飾用のものなど)
    瞳の部分として
    2液性エポキシ系接着剤(無色透明タイプ)と
    黒色塗料(エナメル系でもアクリル系でも水性でもよい)

    白目部分用に白色塗料(エナメル系でもアクリル系でも水性でもよい)

    透明部分の土台にするにものとして
    円形のスパングル5または
    6cm(手芸店のビーズコーナーなどにある。レインボー透明カラーがお勧め)

    透明部分として2液性エポキシ系レジン。
    なければセルロースかウレタン

    透明感をだし表面を滑らかにするために
    コーティング剤(セルロースやウレタン)も必要で、
    マニキュア用トップコート速乾・無色透明タイプがお勧め

  • 工具

    ニッパー(針金を切るため)プライヤーやラジオペンチ(針金を加工するため)
    防水性の紙など(2液性エポキシ系接着剤をこの上で混ぜる)
    ヘラや爪楊枝(2液性エポキシ系接着剤を混ぜるため)
    バルサ板の切れ端や発砲スチロールなど(乾燥させるのに使用)

    ペットボトルのキャップなどの小さな容器(レジンを混ぜるため)