ルアーのアイ(目)の作り方を紹介しています。
作るのは図の9の「シールの目」タイプ。
市販品でもよくあるシールで貼るもの。
作成日数は4日以上必要です
作り方
目次
-
シール部分を円く切り取る
用意したシール部分をポンチまたは穴開けパンチで円く切り取る。
ポンチを使う場合、シールの下に新聞紙などを敷く。アルミシールにポンチで穴開けをする場合、
ポンチを上から手で強くアルミシールに押しつけるか、
金槌でポンチの尻を叩く。ぐりぐりと回すのはアルミシールが歪むためやめたほうがよい。
-
シール部分を固定する台を用意する
台に円く切り取ったシールを貼るため、
セロテープの粘着面を上にしたものを台に固定する。
粘着力の弱いセロテープがよい。 -
シール部分を台のセロテープに置いていく
1で作った円いシール部分を2で用意した台の上のセロテープ粘着面の上に置いていく。
2mm以上間隔を開ける。
-
接着剤と塗料を混ぜる
瞳部分を接着剤で作る場合はこの工程4と工程5を行う。黒いビニルテープで瞳部分を作る場合には、
ビニルテープを光沢のある厚紙
(後でテープを剥がしやすいもの)に貼り、ポンチで円く切り取る。そして工程3で作ったシールに貼った後、工程7へうつる。
黒いビニルテープは平面だが、
工程7で作る透明部分がレンズの役目をして少し立体的に見える。
接着剤で瞳を作る場合はさらに立体的に見える。2液性エポキシ系接着剤を
チューブから適量出す
(等量に混ぜるタイプが一般的だがそうでないものもあるので注意する)。
この時点ではまだ混ぜない。次に少量の黒色塗料を、出した接着剤の上に数滴垂らす。
そして接着剤同士をヘラで混ぜる。
色が薄いようであれば黒色塗料をさらに垂らして混ぜる。 -
瞳を作る
4で作った黒色接着剤を棒ですくいとり、
円いシール部分に少し垂らす。垂らした後、黒色接着剤は勝手にのびて広がるため、少量でよい。
垂らした直後の瞳の大きさが、しばらくすると接着剤が広がって大きくなるのだ。
垂らし方にはコツがある。
円い瞳を作るのならば、
まず接着剤を棒に適量すくい取り、
その棒の先をシール部分に当て、そして棒を少し浮かす。
このとき棒とシール部分の間が接着剤でつながっていること。そのまましばらくすると、棒側の接着剤が下へとゆっくりと落ちてくるはずだ。
適量落ちたら、棒を真上に引き上げる。
こうすることできれいな円の瞳となる。またシール部分の表面が商品の種類より、
黒色接着剤の広がりやすさが違うので注意すること。 -
乾燥
乾燥時間は温度と接着剤によるが
早くて1日長ければ2日ほどかかる。
4での混ぜる割合が間違っていると硬化しない。 -
透明部分 – 2液性エポキシ系レジン
2液性エポキシ系レジンを使う。
セルロースやウレタンなどのコーティング剤でもできるが、
乾燥時に気泡が発生しやすい。また2液性エポキシ系接着剤(無色透明タイプ)でも代用できるが、
気泡が発生する確率が最も高い。
実はこの気泡の発生をいかになくすか、
気泡をいかに取り除くかが難関で、
アイの作り方で最も難しいのがこの透明部分を作る工程である。
2液性エポキシ系レジンはいくつかのメーカーが出しており、
もしかしたら気泡の発生がほとんどないものもあるかもしれない。
「気泡」というが、これは実際は何もない空間だと思う。レジンやセルロース、ウレタンなどが硬化すると、
液体の時よりも硬化した時の体積は小さくなる。
この小さくなる=縮む速度が速いほど
そして縮む度合いが大きいほどに、
内部に気泡が発生しやすくなるのだろう。今回使ったのはユザワ屋で販売している
日新レジン社製クリスタルレジン(透明・低粘度エポキシ樹脂)だ。
付属している説明書では
「2液を2:1の重さの割合で混ぜる」とあるが、
実は少量だけ使いたい場合には
軽すぎて一般家庭調理用天秤では量れないのである。そこで別に購入した注射器2本
(釣具店のロッドメイキングの材料コーナーにある)で
2液を2:1の体積の割合で取り、容器内で混ぜる。
このとき2液性エポキシ系接着剤のときよりも
正確な割合で混ぜること。
またレジンの混ぜ方だが、
棒などで早くかき混ぜない方がよい。
なぜならあまり混ぜると気泡がたくさんできるのだ。容器を傾けながら棒でゆっくりと混ぜる。
レジンがよく混ざったら、爪楊枝などにレジンを付け、シール部分の上に垂らしていく。
レジンがシールの上で盛り上がり
瞳の部分が隠れるまで、何度もレジンを垂らす。気泡がある場合このまましばらく置いておくと、
気泡が上まで浮いてくるのでこれを爪楊枝の先ですくい取る。3日以上なにもせずに置いておきレジンが固まるまで待つ。
レジンが固まったかどうかの判断は目では難しいため、
棒でかるく押して判断する。セルロースやウレタンを使う場合は、
この垂らして乾燥させる工程が1度だけでは
盛り上がった透明部分ができないため、
数回行う必要があるかもしれない。 -
完成
コーティングと乾燥を納得がいくまで繰り返し、最後にセロテープから剥がせば完成となる。
慣れると一度に大量生産できるようになる。
瞳を円くすること、適度な瞳の大きさ、泡が入らないように透明部分を作る。
これらのコツがつかめれば、市販品を買う必要はなくなるだろう。
今回使ったもの
-
材料
シール部分となるアルミシールやホログラムシート
瞳の部分として2液性エポキシ系接着剤(無色透明タイプ)と
黒色塗料(エナメル系でもアクリル系でも水性でもよい)
またはこれらの代わりに黒いビニルテープ透明部分として2液性エポキシ系レジン。
なければセルロースかウレタン。
または失敗しやすいが2液性エポキシ系接着剤(無色透明タイプ)透明感をだし表面を滑らかにするために
コーティング剤(セルロースやウレタン)が必要になる場合もあり、
マニキュア用トップコート速乾・無色透明タイプがお勧め。
-
工具
シール部分を固定するための台(蒲鉾板など平らで硬いもの)
シール部分を固定するためのセロテープまたはピン
シール部分を円く切り取るためのポンチや穴開けパンチ。直径4mm~6mmのものが無難。
瞳部分を黒いビニルテープで作る場合は、更に直径2mm~4mmのものが必要。
防水性の紙など(2液性エポキシ系接着剤をこの上で混ぜる)
ヘラや爪楊枝(2液性エポキシ系接着剤を混ぜるため)
瞳部分をつけるための細い棒(先端を半球面にしたものがお勧め)
ペットボトルのキャップなどの小さな容器(レジンを混ぜるため)