ラトルが入ったクランクベイトの作り方を紹介しています。
ミノーの作り方と同じで、違うのはルアーの形とラトルが入っている点だけです。
細かい説明は省き、クランクベイトに特徴的なポイントを書きました。
クランクベイトの構造はこの画像。
今回はラトルを入れるためにシャフト(針金)が特別な形になっていますが
ラトルを入れないのであれば、
ミノーと同じようにシャフトを作り、センターアイの前後両方にオモリを埋め込みます。
クランクベイトの作り方
目次
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型紙を作る
作りたいクランクベイトを紙に書き、
厚紙で右図2種類の型紙を作る。完成図より少し細めに型紙をつくるのがコツ。
これはコーティングの行程で
ルアーが太くなることを考慮するためだ。オモリの位置には穴を開ける。
初めて作る人は
市販品か図を参考にして
型紙を作るといいと思う。 -
バルサを切る
型紙をバルサの板にあて、
ペンでなぞる。
そしてカッターナイフか
糸ノコギリで切る。ミノーと比べて板が厚く
切りづらいので、
出来れば糸ノコで切るか、
または
薄いバルサ板を4枚切り、
2枚ずつ接着剤で張り合わせる。
こうすると厚い板が2枚できる。必ず注意のコーナーを
よく読んだ後に切る。
刃先がこぼれていたら新しいものに替える。
かなり力がいるのでゆっくりと切り、
またバルサの下に何か敷いて
切るとバルサも机も傷つかない。 -
ラトルを作る
ラトルは図のようなものを作る。
使用するのは、
マジックペンを切った円筒形の胴体と、
鉛のかけら(釣り用のオモリなど)。ペンをノコギリで切り、
図のような筒状にする。鉛はオモリをニッパーなどで削り、
ペンチを使って丸い玉にする。玉の直径が筒の半径より
大きくなるようにし、
2・3個作る。あまり多く入れすぎると
ラトル音がしなくなる。
作った筒に鉛玉を入れたら、
紙と接着剤で蓋をし密閉する。ラトルはいろいろ工夫すると面白いと思う。
筒や中に入れる玉の材質を
変えることで音が変わる。 -
ワイヤーでアイ・シャフトを作る
ここはペンシルベイトの作り方で
紹介した方法と異なる。
詳しくはミノーの作り方を見ること。
ワイヤーつまり針金は、
ステンレス製などの錆びない材質で
軟らかすぎないものを使う。
ピアノ線でもいいのだが、
現在釣具屋でも
ルアー製作用にステンレスワイヤーが
太さ違いのものが3種類ほど販売されている。
このうち0.9mmのものが加工しやすい。 -
オモリとラトルの穴をあける
型紙とペンを使い、
バルサのオモリの位置に印をつけ、
図のようにオモリとラトルを入れる穴を開ける。
リューターや彫刻刀を使うとよい。
彫りすぎないように注意し、
二つのバルサの穴の深さが同じになるようにする。
シャフトをはめるスペースを無くさないように注意すること。 -
シャフト用の溝を作る
一度、シャフトとオモリをバルサで挟み
(強く挟みすぎるとバルサがつぶれるので注意)、
シャフトの跡をバルサにつける。
その跡を
精密ドライバーや彫刻刀で少し彫り、
溝を作る。 -
バルサを貼り合わせる
ここはミノーと異なるところだ。
クランクベイトでは
バルサをルアーの形に削ってから
シャフト、オモリ、ラトル入れ
接着剤で貼り合わせる。クランクベイトは形が複雑なため、
この方が作業しやすいのだ。
オモリとラトルを埋め込み、
両面テープで貼り合わせる。 -
バルサを切る
もう一つの型紙とペンを使い、
バルサに型を書き、
カッターで削る。
図は誇張しているが、
この段階ではだいたいの形に削る。
もちろん左右対称になるように慎重に削る。 -
ルアーの形に整える
図のように四つ角を削り
八角形にする。
一度に深く削らず、
少しずつ薄く削っていく。腹部の曲線は特に注意すること。
左右対称になるように
バランスを見ながら削る。だいたいの形に削ったら、
紙ヤスリを使ってルアーの形を滑らかにする。やすりの使い方はペンシルベイトの作り方と同じで、
2種類の紙ヤスリでルアー全体を徐々に滑らかにする。 -
貼り合わせる
カッターをバルサの間に入れて、
慎重に両面テープを剥がす。そして瞬間接着剤を使い
貼り合わせる。再び紙ヤスリで継ぎ目をなめらかにする。
アイを削らないように注意すること。 -
コーティング・塗装をする
この作業の前にあらかじめ、
乾燥台を作っておく。前部、後部から
セルロース1液へのドブ漬けと乾燥を
それぞれ3回以上行う。詳しくは塗装のコーナーを
参考にしてほしい。コーティングが終わったら、
紙ヤスリで表面 をなめらかにする。そして塗装を行う。
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目をつけ、コーティング
ペイントアイの方法をとるのなら
塗装のコーナーを参考に。グラスアイを使う方法をとるなら
ペンシルベイトの作り方を参考にすること。つけ終わったら、セルロース2液で
頭部と後部からそれぞれ1回
コーティング乾燥を行う。これでルアーにツヤが出る。
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リップを作る
ポリカーボネート板(なければアクリル板)を
ノコギリや金属用のはさみで切り、
リップを作る。
市販のリップを使用しても良い。リップの形状はいろいろあるが、
図を参考にして作っても結構だ。図のように刻みを入れ、
リップの接着面を多くすることで
リップがぐらつかなくなる。材料としては、
ポリカーボネート板がお勧めだが、
なければアクリル板やアルミ板、
ステンレス板でも代用できる。ちなみに金属板を除いては
ポリカーボネートは
透明樹脂の中で最高の衝撃強度がある。
PET板の約8倍、アクリル板の約40倍。また基板リップというものもあるが、
正式にはFRP板。FRPはFiber Reinforced Plasticsの略で、
クランクベイトのリップは
ガラス繊維であるGFRP(Glass FRP)である。HMKLではハンクルサーキットボードという
商品名でも出している。 -
リップを付ける
ルアーのリップを付ける位置を
カッターや彫刻刀、
リューターを使って穴を彫る。穴の深さは5mm以上。
リップを付ける角度は
ルアーに求める動きによって様々だが
ここでは約40度にしている。最初、
リップの穴の大きさは
リップの厚さと幅より少し小さめに削り、
徐々に大きくする。そして瞬間接着剤で防水処理を行う。
乾燥後リップをはめ(仮付け)、
浴槽でスイムテストを行う。理想の泳ぎになるまでリップを削ったら、
瞬間接着剤でルアーに付ける。最後に、
リップの側面と付け根に
セルロース1液を薄く塗り、
防水処理をする。後はスプリットリングとフックを付ければ完成。
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ディープクランクの場合
フロントアイは図のような形に作る。
リップを差し込むボディの穴は
普通のクランクと違い、シャフトの上側に作る。
またリップにアイを通すための穴をあける。
他の行程は同じだ。
今回使ったもの
- バルサ板
- フック2個(ダブルフックまたはトリプルフック)
- スプリットリング(ダブルフック使用時は不要)
- ワイヤー(ステンレス製かピアノ線で、太さ0.9mm)
- 鉛
- ラトル用の筒(使い古しのマジックペンなどで代用可)
- 目2個(ルアーの目となるものなら可。ペイントアイにするのなら不要)
- 両面テープ
- 塗料(下塗り用と本塗り用、缶スプレーでもいい)、廃液瓶
- 塗料うすめ液(ラッカーうすめ液またはシンナー)
- ノコギリ(刃がこまかいもの)か金属用はさみ
- カッターナイフ、糸ノコギリ(無くても可)
- 紙ヤスリ(100番台、200番台、400番台)
- リューターまたは彫刻刀、ポンチ
- ペンチ、精密ドライバー
- ハケか平筆、瞬間接着剤
- エアーブラシまたは缶スプレー(塗装の方法により必要)
- 防毒マスク(塗料やうすめ液などの有機溶剤を多く使う場合必要)
- 乾燥台(自作)
- コーティング剤(セルロースセメント1液と2液)
- ポリカーボネート板かアクリル板(釣具屋で購入できる)