硬い木を削ってボディを作り、
金具をとりつけて完成するルアーの制作方法を紹介しています。
ここでは、もっともシンプルな形のルアーペンシルベイトを作成していますが
ポッパーとスイッシャーの作成にも使える方法です。
ペンシルベイトの作り方
目次
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ルアーのデザインを考え、図に描く
どんなペンシルベイトを作りたいかをイメージし、
紙に具体的な図を描く。形・大きさ・オモリの位置、
浮く姿勢そして模様や色を
紙に書く。慣れないうちは実物大で書くとよい。
この図はルアーの設計図となる。色や模様は
画像のように書き込むだけでよく、塗料を揃えるときに
何色を購入すればいいのか
という目安とする。PCのソフトウェアで図を描けるのなら、
図の使い回し・色や模様を考える点で便利である。また、画像で
全長を2.5cmと4.5cmにわけているのは最も太い位置(2cm)をどこにするのか、
そしてボディの材料の必要な大きさを
決めるためである。 -
材料・工具の用意
作りはじめの頃は
作りたいルアーの図を具体的に描くことで
用意する材料や工具がわかってくる。例えば上の画像のように書けば、
必要な材料がわかるはずだ。そしてその材料をどこで買い、
加工・取付けをどんな工具で
どう行うのかを考えるのである。そう言われてもまるで想像つかない」
という超初心者のために、
必要なものはこのページの今回使ったものに載せておいたので参考に。 -
木材の切断
今回はペンシルベイトのボディの素材として、
木材を使う。木材の中でも
ラミン・モミ・スギといった
軽くて強度のあるものを使う。バルサは柔らすぎて
この作り方
「ヒートンを直接ボディに使う方法」
には適さない。切断するにはノコギリを使う。
作るルアーの長さより少し大きめに切るとよい。
ノコギリの刃の厚さも計算にいれて切る。 -
角材は丸棒に加工する
木材を削るのにナイフを使用する。
切り出しナイフ・カッターナイフは
ルアー作りではよく使う工具で、
使う前に刃先を確認した方がよい。切り出しナイフは刃先がなまっていたら
砥石やシャープナーで研ぎ、
カッターナイフは刃先を折るか換えるかして
鋭い状態にしておく。用意した木が角材の場合、削って丸棒にする。
まず断面の中心に鉛筆はマジックで点を書く。そして角材の角をナイフを使い
断面の4角形を8角形へ、
8角形を16角形へと削り、
最後に紙ヤスリを使って
円になるように仕上げる。
このとき点が円の中心となるようにする。削るとき、
ナイフと木工用金ヤスリの両方を使って
削っていくと簡単だと思う。 -
削ってルアーの形にする
木目をよくみて
背中と腹にする部分を決める。
(木目を水平にして、上を背中・下を腹とする)丸棒の両端をナイフで削りルアーの形にしていく。
一度に深く削らず、
鉛筆を削る感覚で浅めに削っては
丸棒を少し回し、
再び浅めに削ってまた回す、
を繰り返し
徐々に目的の形へと加工していく。一部分だけを削りすぎないように、
ときどき木全体のバランスを見て注意しながら削る。ほぼルアーの形になったら次の工程へ移る。
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表面の凹凸をなくし滑らかにする
適度な大きさに
(手のひらより少し小さいぐらいがよい)
切った紙ヤスリ(100番台)を使って、
ルアー表面の凹凸をなくす。次に200番台、800番台の順で紙ヤスリを使い、
表面を滑らかにする。利き腕の手のひらに紙ヤスリをおき、
もう一方の手にルアーを持ち、
ルアーを紙ヤスリに擦りつける感じでヤスリがけを行う。または
手のひらに置いた紙ヤスリを
親指ではさんで固定し、
残りの指で
紙ヤスリを少しまるめた状態で
表面をみがくように動かす。ヤスリがけは全体に行うので、
ヤスリがけと
ルアーをたまに少しだけ回転させることを
交互の行うとよい。この工程は人それぞれにコツがあるので、
自分なりのやりやすい方法をみつけるといいだろう。ヤスリがけは、
大きな面積には大きなサイズで大きく動かす、
小さな面積は小さなサイズで小さく動かす、
が基本である。 -
オモリを埋める穴を開ける
まずオモリの形をペンチなどで整える。
ここでは球体だが円筒形でもよい。ルアーの腹部に
ルアー設計図に書いたオモリの位置に
ペンでしるしをつける。次に穴をあける。
リューターまたは彫刻刀(丸刀がよい)を使い
オモリ分の大きさの穴をあける。
大きくなりすぎないように注意すること。そして割り箸(円筒形タイプ)や
ボールペンの尻などで穴の形を整える。オモリを入れてみて
穴の大きさが合っていることを確認する。穴の深さは、
フタをすることを考えて
オモリの高さより深めにする。 -
オモリを入れる
穴に接着剤をたらし、オモリを入れる。
オモリ、接着剤に関しては
材料のコーナーが参考になる。このとき使う接着剤は
瞬間接着剤でゼリー状のものがよい。爪楊枝の先に接着剤をつけ、
穴の内側に塗るのもいいと思う。
塗る量は少し多めに。 -
穴をふさぐ
別に用意した木材で
穴の直径よりも
少し大きい太さの丸棒を作る。そして穴にフタをするために、
丸棒を切断する。オモリの入った穴に接着剤をたらし、
この丸棒で穴をふさぐ。 -
ふさいだ部分をととのえる
穴をふさいだ丸材が
ルアーの腹部から盛り上がっているため、紙ヤスリをつかって
盛り上がり部分を削り
腹部を滑らかにする。
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頭部・後部・腹部に穴を掘る
キリやリューターを使い
頭部と後部に
ヒートンを入れるための穴を掘る。腹部には目印程度に浅めの穴を掘る。
これは次に行う塗装後に穴がわかるようにするためだ穴の大きさは
ヒートンの太さより少し小さめに、
穴の方向は
ルアーの頭部と後部の穴を結んだ線に沿って
慎重に掘る。腹部の穴は、腹部に対して垂直に掘る。
また頭部・後部の穴の深さは
ヒートンの長さより短めの深さでやめておく。これらの作業は結構難しいため注意すること。
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ヒートンを仮付けする
ヒートンをルアーの頭部、後部に仮付けする。
腹部にはとりつけない。最初は指でヒートンを回し、
回らなくなったらペンチでねじ込んでいく。(ヒートンのアイの部分に細い棒を通してその棒を回すと、ヒートンが傷つかない)
ヒートンをけっして最後までねじ込まないこと。
最後までねじ込むのは仕上げの段階だ。 -
下地をつくる(コーティング)
下地の作り方にはいろいろあるが、
ここでは簡単な方法を紹介する。もっと本格的に作りたい場合は塗装のコーナーを読んでほしい
また、塗装後ルアーを吊して乾かすための「乾燥台」は
この時点までに作っておく。仮づけしたヒートンをペンチでもち、
下塗りする色(白やシルバー)をハケか平筆を使い、
ルアーにまんべんなく薄く塗る。厚塗りしないように注意すること。
塗り終えたら
乾燥台にルアーを吊す。1時間乾燥後、再び下地塗りを行う。
この作業をルアーの木目が見えなくなるまで繰り返す。
これで下地作りと下塗りの両方が終了となる。 -
本塗り(塗装)
自分の好きな色を塗る。
エアブラシやカラースプレーまたは筆塗りでもよい。厚塗りをすると色落ちの原因となるので注意すること。
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目を入れる穴を彫る
ルアーに目をつける位置を決め、
ペンで印をつけてから
ポンチやリューター、彫刻刀で
穴を掘る。けっして彫りすぎず、
目の2つの穴の
大きさと深さが同じになるように
慎重に行う。最後に穴の底が平らになるように、
筆の尻などでならす。 -
目をつける
掘った穴は木の部分がむき出しの状態なため、
接着剤を穴の中に塗り防水処理を行う。乾いたら再び接着剤を穴につけ、
目をとりつける。接着剤は無色透明なものを使うとよい。
瞬間接着剤が
塗装・コーティングした部分につくと
剥がれないので、
穴から接着剤がはみ出さないように
量とつけ方に注意すること。 -
腹部のヒートン用の穴を掘る
ルアーの腹部の部分に穴を掘る。
腹部にヒートンを使う場合は
頭部・後部用の穴と同じように穴を掘る。ヒートンのかわりにリグを使う場合は
リグの大きさに合った穴を掘る。Lリグの場合は
ハトメ(カップ)用の穴を開け、
次にネジの穴、最後にヒートンの穴をあける。
そして瞬間接着剤で防水処理を行う。コーティングにウレタンを使用している場合
コーティングが剥離しないように、
力を加えすぎず慎重に穴をあける。 -
ヒートンにフックをつける
今まで使用していたヒートンとは
別に用意したヒートン2つに
それぞれフックをつけ、
ペンチでアイの部分を閉じる。もう1つ別の頭部用のヒートンは
そのままアイを閉じる。ヒートンをペンチで傷つけるのがイヤであれば、
ペンチに布やテープなどを巻いてから
ヒートンをはさむといい。 -
ヒートンをつける
仮付けしていた(今まで使用していた)
ヒートンをはずし、
工程18のヒートン3つをとりつける。カップワッシャーを使う場合は
図のようにワッシャーをヒートンに通しておく。フックでルアーの塗装を傷つけないように
注意しながらヒートンをねじ込む。ヒートンを最後までねじ込んだときに
アイの向きが正しくなるように
(たての向きに)慎重に行う。 -
防水処理
最後にヒートンの付け根に瞬間接着剤をつけ、
ルアーに水がしみこまないように防水処理を行う。これで完成。
今回使ったもの
「何を揃えていいのかわからない」
という超初心者のために、
今回のペンシルベイトの作り方で使ったものを一覧にした。
これらは
ホームセンターや釣具店、
文房具店、インターネット販売などで購入できるが、
代用できる材料や工具を持っているのであれば
新たに揃える必要はもちろんない。
- 木材(スギまたはラミン、モミなどの丸棒か角材)
- フック2個(ダブルフックまたはトリプルフック)
- ヒートン3個(短いもの。リグを代わりに使う場合はヒートンは1個か2個)
- カップワッシャー2個(これもリグを使う場合は1個か2個。使わなくてもよい)
- 目2個(ルアーの目となるものならどれでも可。ペイントアイにするのなら不要)
- 塗料(下塗り用と本塗り用、缶スプレーでもいい)
- 廃液瓶(塗料うすめ液や洗浄液を使った後にためておく)
- 塗料うすめ液(ラッカーうすめ液またはシンナー)
- ノコギリ(刃がこまかいもの。木材を切るため)
- リューターまたは彫刻刀(穴を掘るため)
- 切り出しナイフ、カッターナイフ(木材を削るため)
- 紙ヤスリ(100番台、200番台、800番台など3種類ほど)
- 接着剤(木工用の瞬間接着剤か2液型接着剤。無色透明なもの)
- ハケや平筆(塗装に使用することがある)
- エアーブラシまたは缶スプレー(塗装の方法によっては必要になる)
- 防毒マスク(塗料やうすめ液などの有機溶剤を多く使う場合必要)
- 乾燥台(ルアーを乾燥させるために必要。自作する)